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2016/06/29 (水)

発生してからでは遅い!家庭でできる梅雨シーズンのカビ対策

取材・文/竹入はるな
梅雨に入ると湿度の高いジメジメした日が続きます。そうなると、気になるのが家の中のカビ。発生してしまうと掃除の手間もグッと増して、忙しさ倍増……。そんな手間を生み出さないために気を付けておきたいことを、住宅設計の専門家の井上恵子さんに聞いてみました。

カビの発生はサボりの証ではない、今どきの事情

梅雨時期に、家のあちこちで見かける黒い点。特に掃除をサボっているわけではないのに発生する気がするのですが……。このカビをできるだけ手間をかけずに発生させないようにするには、どんなことに気を付けたらよいのでしょうか。
「昔は、家にカビが発生するのは掃除が行き届いていないなど、住まい方の問題だと言われたりもしましたが、実は家そのものの断熱性能が問題だったことが分かっています。現在の住宅事情は高気密・高断熱になってきており、それに合わせた住まい方をしていく必要があるでしょう」(井上さん、以下同)

専門家に「家自体の問題」って言われると、このカビ問題にちょっと肩の荷が下りる気も。

「24時間換気がある家なら、必ずスイッチを入れておきましょう。約2時間で部屋の空気を入れ替えてくれるので、湿った空気が滞りません。今どきの家は、昔の日本家屋のように自然換気する環境ではありませんので、窓を開けたり、換気扇を回すなどして、高気密な住まいなりのカビ対策が必要なのです」

梅雨から夏にかけては、特に室温が高く冷たい水が溜まる場所のカビ発生に注意
参考:All about 『夏も発生!マンションで結露が起こりやすい3つの場所』

特に梅雨にカビ対策が必要な場所を知っておこう

では、カビは家のどのような場所に発生しやすいのでしょうか。経験値からお風呂場に注意を向けている人は多い気がするのですが。
「そもそも常に水気がある水まわりは、カビが発生しやすい場所です。なかでも、一年を通じて暖かく、湿気があるお風呂場は、最もカビに注意するべき場所だと思います。余裕があれば、掃除した後に水分を拭き取っておくといいのですが、とりあえず、入浴後に壁にシャワーで冷水をかけて石鹸カスなどカビの原因となるものを洗い流し、室温を下げて換気扇を回しておくだけでもヌメリやカビには有効です。水がある場所という意味では、洗濯機も注意が必要な場所ですね。使い終わった後はフタを開けておくなど、ちょっとした配慮ができるといいですね」

また、空気の流れが停滞する場所も注意が必要なのだとか。収納の中など狭い空間で閉め切るところは、湿った空気がいつまでも入れ替わらず気を付けたい場所だそうです。

ほかにも、特に梅雨時期にカビが発生しやすく、気付きにくい場所があるそう。

「まず、室温に比べて低温になる場所。冬場なら、外の冷たい空気と室温の暖かい空気がぶつかる窓とサッシに結露するシーンをよく見かけると思いますが、夏場でも同じ原因で結露する場所があるのです。結露を発生させないように注意するか、結露を拭き取るようにしないと、カビは発生します」


例えば、
・エアコン(クーラー)
・外壁に接した収納の中
・キッチンシンクの収納の中
・トイレの便器と床の接続部

エアコンまわりは、暖かく湿った空気が冷たいモノ(エアコン)に触れて冷やされ、結露しやすい場所。また、空気の流れが停滞しがちで一年を通じて外気の影響を受けやすい外壁に接するクローゼットや押入れの中、外壁側に置かれた収納家具の裏側などは気を付けたほうがよいそう。特に日の当たらない北側の壁付近は一年を通して注意が必要だそうです。
また、盲点なのがトイレ。便器の外側に発生した結露が便器を伝って床に落ち、便器と床の接続部に溜まってカビを発生させたり、床を腐らせたりする、なんてケースもあるそうです。


「次に、汗をかく場所や湿っぽいものがある場所です。特に空気が通りにくい部分は湿った状態が続き、カビが発生しやすくなります」

例えば
・壁や床にぴったりと付けて置かれたベッドやマットレス
・下足入れ
・洗濯物を部屋干ししている窓のカーテン

人は寝ている間にかなり汗をかき、呼気には湿気を含んでいます。1部屋に寝る人数が多い部屋は、特に湿度が上がりやすいのです。その中で、寝汗を吸ったマットレスなどはカビが発生しやすくなります。マットレスを床に敷いたままにしていて、マットレスの裏側や床にカビが生えていたなんてことになりかねません。
また、梅雨の時期から暑い夏にかけて一日中履いていた靴は、大量の汗を吸収し、カビの養分となる汚れも付いています。その靴を、閉め切って空気が滞りやすい下足入れに入れておくと、養分の高い状態でジメジメした状態が続き、カビが発生しやすくなります。

湿った空気を滞らせないため、お出かけ前に扉という扉を開け放って出かけよう
写真:PIXTA

空気の流れ道をつくってカビを発生させない

さて、一通り注意するべき場所が分かったところで、忙しくても手軽にできるカビを発生させない工夫を教えてほしいのですが……。

「まず、夏場の最大のポイントは換気です。なので、天気と防犯上の問題がなければ、出かけるときに窓を2カ所開けて風を通すといいでしょう。部屋が暑くなりすぎず、結露のリスクが下がりますし、湿った空気が同じところに滞りにくくなります。窓を開けておくのが難しければ、収納の中など狭いところに湿った空気が滞らないよう、家の中の扉という扉を開け放って出かけるといいと思います。先ほど挙げた水まわり・玄関の収納扉やクローゼット、洗濯機のフタのほか、トイレや寝室といった部屋に至るまで、誰もいないのですから、思いっきり開けちゃってください」

もう一つ、空気を通すという意味では、家具やベッドと壁の間に隙間をつくると有効なのだそう。

「壁に家具やベッドをぴったりくっつけて置くと、空気が通らずに結露や汗などの水分が逃れられずカビが発生することがあります。壁からは少し離して空気の通り道をつくることが大切です。
また、カビは壁だけでなく、床や天井にもできることがあります。ベッドは脚があり床との間に隙間のあるタイプのほうがカビ対策には有効ですよ。
忙しい方はお掃除ロボットを使うことも多いと思いますが、風とお掃除ロボットの通り道がある家具配置を心掛けていただくと、ちょうどいいカビ対策になると思いますよ」

最後に、この時期にありがちな洗濯物の部屋干しについて。

「濡れたものは、とにかく早く乾かすことです。お風呂場に干して浴室乾燥機で集中して乾かしたり、お部屋であればサーキュレーターなどを使って風を送るといいでしょう。
部屋干しする際は、洗濯物を窓際にかけることが多いと思いますが、そもそも湿度が高い梅雨から夏にかけては洗濯物が乾きにくい。湿った空気を長時間こもらせてカーテンをカビさせてしまわないように気を付けてくださいね」
とにかく、空気を流し、水分を留めないのがコツのよう。カビを発生させてしまって掃除に膨大な時間を費やすよりも、常日ごろからできるだけ換気を心がけ、日中は収納などの扉を開けて出かけるなど、日々のちょっとしたアクションでカビの発生を回避したいですね。
さっそく今日からやってみてはいかがでしょうか。

<取材協力>

井上恵子さん
マンション設計に携わった経験を数多く持つ一級建築士。「住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所」主宰。マンションの性能評価、保育園の設計・工事監理、All Aboutや生活・住宅情報サイトでの記事執筆、新聞へのコラム掲載、一戸建て・マンション購入セミナー講師など各方面で活躍中。

取材・文/竹入はるな

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