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2016/07/06 (水)

家計も家事も助け合う、イマドキの共働き夫婦の実態は?

取材・文/竹入はるな

写真:PIXTA

仕事、家事、子育てと、日々忙しい共働きファミリー。家事の分担は、お互いがハッピーなバランスになっているのでしょうか?そこで、旭化成ホームズ「共働き家族研究所」木戸將人さんに共働き夫婦の実態をうかがってみました。

「家計は2人で支え合う」イマドキの共働き夫婦

今や多数派になった共働き世帯。共働きと専業主婦世帯、妻の就労状況を振り返ると、その数が拮抗するようになったのが1990年代。2000年代に入ると、共働き世帯のほうが多くなり、その差は年々広がっています。
男女雇用機会均等法が施行されたのが1986年。それまでは、専業主婦の家庭が一般的でしたので、今の40代より上の世代だと、お母さんが専業主婦だったという人が多そうですね。30代になると、学校でお母さんが仕事をもっている子はけっこういた、という印象になってくるのかもしれません。

「共働き世帯と専業主婦世帯の数だけでなく、働く理由の変化にも注目してみてください」(木戸さん、以下同)

1989年の調査時はフルタイムとパートタイムを分けて調査しているが、2012年は就労形態にかかわらず働く日数や時間が多いことから、調査はフルタイムに集約している。

1989年の時点で共働きの理由は「生活にゆとりをもたせたい」や「社会とのかかわりをもちたい」といったものが目立っています。今は、これらの理由に加え、「生活を維持するため」や「住宅ローンなどの返済のため」といった経済的な理由を挙げる人が増えています。

「かつては『自由時間を有効に使いたい』といった理由も目立っていましたが、今はその割合がぐっと減り、妻の経済力もしっかり家計の戦力として考えられているようです」

夫は休日だけでなく平日にも家事をするように

女性が家計の戦力になった分、男性が家庭にかかわる機会は増えたのでしょうか。
以前は学校教育においても男子が技術、女子が家庭科と男女別々に学んでいて、家事は妻が担うものという雰囲気になりやすい背景がありました。しかし、1993年に中学、1994年に高校で家庭科が男女共修となり、教育面では男女がフラットになりました。
「意識の上では、家事や育児に抵抗のない世代が共働き世帯の中心になりつつあるといえます」


では、専業主婦世帯が主流だったころと比べ、夫は家事に参加するようになったのでしょうか?

調査からも分かるように、1989年より2012年のほうがどの項目でも家事への関与が増えています。
「以前は夫が家事をするのは休日がほとんどだったのですが、今は平日も家事に参加していることが分かっています。また、意識調査では『もっと家事を手伝いたい』と答えた夫が約6割だったことから、妻に頼まれたことだけ手伝う受け身での参加ではなく、自分で積極的にこなす姿勢がうかがえます。基本的には、家事は内容によって、夫婦の“得意なほう・そのときできるほうがやる”という考え方のようです」

ゴミ出しは出勤時間が先のほうがする、先に帰宅したほうが食事の準備をする、といった感じですね。
過去に比べて、家事に参加することについて夫の意識は積極的になっており、実際に家事時間も多くなっているようです。

とはいえ、妻の思いは「もっとやってほしい」!?

教育環境や意識の上で男女の差がフラットになってきた家事。以前と比べて、夫の家事参加は増えていますが、夫婦の間で家事分担について意識の差はないのでしょうか。
これは、家庭によって実感値はさまざまだと思いますが、各メディアで家事分担についての相談が多く見られるように、現在はまだまだ過渡期といえそうです。

「夫の家事参加は、“意識”も“行動”も積極的な人が多くなっていますが、“行動の質”、つまり家事の質は、妻の要望に追い付いていない状況だと思います。夫のほうに期待に応えたいという気持ちがあっても、家事の内容によっては時間が合わずにできないものや、自信がなく参加するのにハードルが高い家事があるようです。しかし意識は積極的になってきているので、今後は行動の質も上がってギャップが小さくなっていくのではないでしょうか」

夫と妻、家事分担のギャップを埋めるには

それでは、夫が分担できる家事を増やすには、どうしたらよいのでしょうか。

夫が家事をしても自分とやり方が違う場合、ついつい教えるつもりで厳しく言ってしまったり、せっかくの行動をチェックするような小言を発してしまうこともあると思いますが……

「流儀には踏み込まないように気を付けたほうがいいと思います。例えば、靴下のたたみ方ひとつ見ても、人によってやり方が違います。流儀というのは、その人の考え方や育った環境が反映される部分なので、その違いを否定されると自分のバックボーンを否定されたような気になってしまいます」

やり方はある程度任せる余裕をもちながら、必要な部分は夫婦で話し合いをして解決する。お互いの違いを認め合い、楽しく家事を分担できる「わが家のちょうどいいバランス」を見つけられるといいですね。

写真:PIXTA

取材協力

共働き家族研究所所長 木戸將人
旭化成ホームズ「くらしノベーション研究所」所属。共働き家族のよりよい暮らしのあり方を長期的・継続的に調査・研究している「共働き家族研究所」の所長。調査報告書発行のほか、セミナーやフォーラムなどで研究成果を発信している

取材・文/竹入はるな

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