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2016/09/09 (金)

知らないとマズイ!高齢者の食事でチェックしたい4つのこと

画像:gettyimages
高齢者になると体のさまざまな機能が衰えてしまうため、嚥下(えんげ)障害が起きたり食べものをかむ力が弱くなったりします。また、消化吸収機能や体内の水分量を調整する機能が衰え、胃もたれや脱水症状を起こしやすくなることに加え、食事をすること自体がおっくうになって栄養状態も悪くなりがちです。そこで、高齢者の食事について知っておかなくてはいけないこと、気を付けたいことを紹介します。

1.高齢者の食事は、若い人とどう違うの?

体の機能が衰え、さまざまな面から注意が必要となる高齢者の食事は、若い人と同じというわけにはいきません。では、どのような違いがあるのでしょうか。

■1日に必要なエネルギー
1日に必要なエネルギーは年齢や性別だけでなく、その人の身体活動レベルの高さによっても変化します。ゆっくりした歩行や家事などの活動時間が1日4時間程度で、身体活動レベルが普通に分類される高齢者の場合、1日当たりの必要なエネルギーは、男性2200キロカロリー・女性1750キロカロリーです。これに対して、身体活動レベルが普通の30~40代に必要な1日当たりのエネルギーは、男性2650キロカロリー・女性2000キロカロリーと、必要なエネルギー量が大きく違ってきます。

■良質なたんぱく質・野菜・くだものが必要
高齢者になると加齢に伴い消化吸収機能が衰えるため、健康的に生活するうえで必要となる栄養素が不足する低栄養と呼ばれる状態に陥りやすくなります。特にたんぱく質やエネルギーの不足が著しく、またくだものや生野菜の摂取も少なくなる傾向にあるため、ビタミンやミネラルの摂取不足にも注意が必要です。

■食事形態
高齢者の食事形態について語るとき、イメージでひとくくりにしてしまいがちですが、実際は人によって違いがあります。例えば、普通食をそのまま食べられる人もいれば、筋や皮を取り除き刻むことで食べられる人、かむことや嚥下が難しくなり、普通食を食べるのが困難な人など、さまざまです。以前の介護食は、食べやすさに重きを置くあまり、お世辞にも食欲をそそる食事とはいえませんでしたが、最近は食感や味にはもちろん、見た目にもこだわったものが増えているようです。大切なことは、その人に合った食事形態を選択するということです。

2.高齢者の食事で気を付けたいポイント

高齢者の食事内容は若い人と違い、調理方法や食べ方などに注意が必要です。では、どういった点に注意すればよいのでしょうか。気を付けたいポイントを紹介します。

①バランスのよい食事をする
農林水産省によると、70歳以上の女性の1日に必要なエネルギー量は6~11歳の女児と同等のようです。まず、食事を主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、くだものの5種類に分類します。70歳以上の女性の場合、1日に摂取する内容は、主食(ごはん・パン・麺類)4~5つ、主菜(魚・肉・卵・大豆)3~4つ、副菜(野菜・きのこ・いも・海藻)5~6つ、牛乳・乳製品2つ、くだもの2つを目安に献立を考えます。ここでいう「1つ」は料理分量を1回当たりの大まかな標準量として数えるものです。
食事の量は、主食3:主菜1:副菜2となるようにします。こうすることで、バランスのよいメニューを考案することができます。また、高齢者の健康維持には血清アルブミンという成分が大切とされています。この成分を増やすためには、肉類や魚介類、乳製品や卵などの動物性たんぱく質や油脂類を意識して摂取することが大切です。

②かみ切りにくい食材を使わない
高齢者のなかには入れ歯を使用している人も少なくありません。また、かむ力やものを飲み込む力が衰えている人も多いので、かみ切りにくい食材は避けるようにしましょう。加えて、誤嚥による窒息事故のおそれもあります。高齢者の窒息事故を避けるためには、調理の方法や食べる際に工夫が大切になります。例えば、繊維の多いごぼうやたけのこは繊維を切って食べやすくしたり、ゆで卵のようにぱさぱさとしていて喉に詰まりやすいものは、汁気を足したり細かく刻んで食べるといったひと手間を加えることで、誤嚥のリスクを減らすことができます。

③規則正しく食べる
規則正しく食べることで生活のリズムや生体機能のリズムが整います。高齢者になると食に興味が湧かなくなったりおなかがあまり減らなくなったりするので、1日3食の食事を取らないこともあります。そうすると必要な栄養が取れなくなり健康的な生活が難しくなります。時間を決めて3食の食事を取ることはとても大切です。

④小まめに水分を摂取する
高齢者のなかには体の感覚が鈍くなり、喉の渇きを感じにくくなる人がいます。また、トイレが近くなるのが嫌だという理由で、水分の摂取を控えてしまう人も少なくありません。しかし、高齢者にとって水分不足は、さまざまな症状を引き起こす要因となります。また、喉が渇いたと感じたときにはすでに脱水症状に陥っていることもあるので、喉の渇きを感じていなくても小まめに水分を取るように心がけましょう。

⑤新鮮なものを購入し、十分に加熱調理をする
体の抵抗力が弱い高齢者にとって、食中毒は命を脅かすものです。できるだけ新鮮なものを購入し、調理するようにしましょう。また、加熱は食材の中までしっかり行います。そうすることで原因菌を退治し食中毒を予防できます。ほかにも、調理後すぐに食べ、食べ残しは捨てるように注意してください。

3.高齢者に不足しがちな栄養素

体の機能低下や偏りがちな食事内容などが原因で、高齢者は栄養不足に陥りがちです。では、どういった栄養素が不足しやすいのでしょうか。

■たんぱく質
たんぱく質が不足すると低栄養状態に陥り、筋肉の衰えや体力や思考能力の低下につながります。そのため肉や魚、牛乳、卵などの動物性タンパク質を積極的に取るようにしましょう。

■カルシウム
特に気を付けて摂取したいのがカルシウムです。高齢になると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になったり、カルシウム不足によって骨からカルシウム成分が溶け出すことで骨折しやすくなります。高齢者が骨折をすると寝たきりになることが多く、寝たきりによって誘引される病気もあるので、カルシウムの不足には注意が必要です。カルシウムは牛乳や乳製品、桜えび、豆類などに豊富に含まれています。また、カルシウムにはイライラを鎮める効果もあり、心身ともに必要な栄養素の1つといえます。

■鉄
高齢者は、胃液分泌の低下や食事の絶対量不足などが原因で鉄分が不足しがちです。そのため貧血を起こしたり、体が疲れやすくなったりといった症状が表れてしまうので、積極的に鉄分を摂取するようにしましょう。肉類や魚介類に含まれている鉄分は、特に体への吸収率が高いのでおすすめです。

■ビタミン全般
ビタミンCを多く含む野菜やくだものを食べることによって、鉄分の吸収を高めるといわれています。またビタミンB12には造血効果もあり、正常な赤血球を体内で多く生成してくれます。
ビタミンB12は、レバーや魚介類に多く含まれています。

■食物繊維
腸の蠕動(ぜんどう)運動低下、腹筋力の低下、薬の副作用などによって便秘で悩む高齢者も少なくありません。また、食事量の減少により、便秘がちになることも多いようです。便秘にならないように食物繊維はしっかり取るようにしましょう。ごぼう、れんこんなどに豊富に含まれていますが、繊維質の多い食材なので食べやすいように小さく切ったり柔らかく調理したりしましょう。

高齢者はこれらの栄養素が不足しがちになるので気を付けて摂取するようにしましょう。

4.食べにくい料理を食べやすくする料理方法

高齢者のなかには、歯を失ってかむ力が衰えたり、ものを飲み込む力が弱まったりして、普通食を食べることが困難になってしまった人もいます。一方で、ものを食べる喜びは人間が生きていくうえで重要な役割を果たします。食べにくい料理にいくつか工夫を加えることで、ものを食べることが難しい高齢者でも安全に食べられる料理をつくることができるのです。

■とろみを付ける
嚥下機能が低下している高齢者は、食べものをうまく飲み込むことができないので、料理にとろみを出す工夫をしましょう。とろみを付ける方法としては、市販の片栗粉や嚥下補助食品のとろみ剤を使用するのがいいでしょう。とろみ剤は加熱の必要がなく、飲みものにも使用できます。

■ゼリーにする
すべての料理をゼリーにはできませんが、つるっとした食感なので嚥下機能が低下している高齢者の料理を食べやすくしてくれます。
ゼラチン、寒天、嚥下補助食品のゼリー剤を使用します。

■小さく切る
硬いものや食べづらいものは通常の大きさよりも小さく切って食べやすいようにします。

■料理の水分量を多くする
汁気の多い料理や野菜を使ったポタージュスープにすると食べやすくなります。また食事の際には、お茶や水などを一緒に取って喉を湿らせることも大切です。

■弁当の宅配サービスを利用する
自宅で料理ができない人や、介護に時間が取れないご家族におすすめなのが手づくり弁当の宅配サービスです。1日1食から利用可能で、食べ物を小さく切って食べやすくつくるきざみ食に対応してくれるサービスもあります。また、配達の際に様子を見てもらえるのも家族にはうれしいポイントです。

体の機能が低下しても、食材や調理方法を工夫することで高齢者でもおいしく食事をすることは難しくありません。しかし、もし料理をすることが負担に感じるなら無理をせず、高齢者向けの食事に詳しい家事代行サービスや宅配サービスを利用してみるのがいいかもしれません。高齢者の食事の基本的なポイントを押さえて、健康的でおいしく楽しい食生活を目指していきましょう。

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