「家事のミカタ」はハウスクリーニングや家事代行の情報をはじめ、家事や暮らし、子育てに関するコラムを掲載しています。
2017/02/01 (水)

帰省で気づく親の変化。実家の片づけ、どうやってサポートする?

取材・文/丸田カヨコ

写真:PIXTA

新年に帰省してみたら、親の住んでいる実家があきらかに以前より散らかっていて、あちこちに余計なものをため込んでいるみたい……こんなとき、子どもの私はどうすればいいの?というわけで、実家の片づけや生前整理にも詳しい、家事セラピストの河野 麻理子さんに聞いてみました。

叱るよりも“心配してあげる”のがポイント

 「同世代の方からも親の家の片づけに困っている話をよく聞きますね。ただ、これは本当に難しい問題で、専門の勉強をしている私でさえ、親とぶつかってしまうことがあります(苦笑)。子どももある程度の年齢になると親を叱ってしまうんですよ。親が年をとってくると、親と子の立場が逆転しちゃうんですね」(河野さん、以下同)

 だからといって「どうして片づけないのか」と責めたり、勝手に片づけようとしたりするのは逆効果なのだとか。
「親から見れば、子どもはやっぱり子ども。人生の上でも何十年も先輩だし、そこには誇りをもっているんですよ。
例えば自分の家のことであれこれ親に口を出されたら、どう思います?ありがた迷惑ですよね。それは親も同じです。
親の家が片づいていないことで心が痛む、腹立たしいと思うのは子ども側のエゴなんです。
そういうことを意識しつつ、とにかく気をつけて親と会話をしないといけない」

 会話の方向性としては“心配してあげる”ことがポイントなのだそう。
「例えば、年配の方の家では足元によく物が置かれているんです。高いところに持ち上げるのがおっくうになってしまうんですね。踏み台を使うと危ないのも分かっているので、つい足元に置いてしまう。
 そこで、まずは『危ないよ』と心配してあげるんです。
親ですから、子どもに心配してもらえるとうれしいですよね。そして『そうだね』と耳を傾けてくれる。
逆に『なんでこんなところに置いてるの!』と頭ごなしに叱るのは絶対にダメです。
そうなると、親はかたくなに口を閉ざしてしまいます」

 実際、つい声を荒らげてしまってサポートに失敗した人はとても多いのだとか。

とにかくじっくり話を聞いてあげる

写真:PIXTA

 適切にサポートしてあげるためには、まず親の話をしっかり聞くことだと河野さん。
「『なぜこんなにものが増えてしまったの?』と、決して責めないで、じっくり耳を傾けてあげてほしいです。
親も一人暮らしや夫婦だけで暮らしている方だったりすると寂しいし、話を聞いてほしいんですよね。

 子どもが口だけ出して『片づけておいて』『捨てておいて』と言っても、なかなかやらないものですが、
逆に一度『これはどうして取っておいたのか』を親が話すことで、納得して『捨てるわ』となることもあるんです」

 話を聞いてあげることで“納得させる”ことも大事だそう。
「例えば、貰い物のタオルを大量にため込んでいたとして……『こんなにたくさん!』と憤慨するのではなくて、『何枚あるんだろうね~?おっ、50枚もあるよ!』と明るく接してあげれば『我ながらよくため込んだわね……あんた、ちょっと持って帰りなさい』となるわけです」

 ここでのポイントは“いらないものでもいったんもらって帰る”こと。
「帰ってから活用できればもちろんいいですし、本当にいらないなら親に黙って捨てたっていい。
ただ、親は『捨てずに子どもにあげた』と思えば気が楽になりますから、“もらって帰る”ことが重要なんです」

自分の“置き忘れ”もないか今一度確認を

 実は“子どもから預かったもの”や“子どもが実家に置いていったもの”も、親がなかなか捨てられないもののひとつ。
「実家にいらないものを送ったり、置いたままにすることってよくありますよね。親はそれを『預かったものだから捨てられない』ととても大事にするんです。
でも、実は子どものほうが忘れていたりするんですよ。なので、そこは子どもが気づいてフォローしないと。親は『もう捨てていいよ』といわれて初めて処分できるんですから」

 とにかく大事なのは、親の気持ちに寄り添い、話を聞いてあげること。
片づいていないからといって一方的に親を責めては、お互い感情的になってしまうばかりです。
「差し迫った必要がなければ、親が亡くなった後で片づけるのが一番円満ですね。
元気なうちは好きにさせてあげて、危ないと思ったことだけ声をかけてあげるつもりで。ただ、物を移動したり、収納すること自体がだんだんつらくなってきていることを理解してあげて、必要なときは手を貸してあげましょう」

プロフィール

河野 麻理子
一般社団法人家事塾認定 1級家事セラピスト
個人宅での片づけアドバイス、風水インテリア・アドバイスのほか、企業でのセミナーも定期的に開催。片づけと風水を組み合わせた提案が好評。

取材・文/丸田カヨコ

人気記事ランキング集計期間:過去30日分

関連キーワード

あわせて読みたい関連記事

ハウスサービス一覧