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2015/10/05 (月)

【整理収納コンサルタント・本多さおりさん】~今日から始められる~小さな工夫で快適な暮らし<収納編>

構成・取材・文/樋口由香里 撮影/平山諭
仕事に家事に子育てに、慌ただしい毎日を送っていると、部屋の中が散らかりがち。
いつもモノがあふれていたり、なかなか掃除できなかったりしていても、「忙しいから仕方ない」とあきらめていませんか?
でも、ちょっぴり工夫するだけで、時間がなくても、手をかけなくても、気持ち良く過ごせる住まいになります。
そんな暮らしのアイデアを、整理収納コンサルタントの本多さおりさんに聞きました。 

片付けやすい「ベース」さえあれば自然とスッキリ暮らせます

——本多さんは著書の中で「片付けは、後始末ではなくこの先の準備」と言われています。でも、忙しいと片付ける余裕がなくて部屋が散らかる。どうすればいいのでしょう。

 そもそもモノを片付ける目的は、空間をキレイにするためだけではないんですよね。もっと大きな目的は、やりたいことにすぐに取り掛かれるようにするため。例えば、料理をするときに使いたい道具や材料がパッと手に取れたり、手紙を書こうと思ったらレターセットや切手が手軽に用意できたりするという具合です。使いたいモノがいつでも取り出しやすく、使ったあとは簡単に戻せるように配置すること。これが収納です。使ったモノを元の場所へ戻す動作が楽に行える収納を整えれば、毎日の片付けはそんなに苦にならないはずです。つまり、片付けが思うように続かないということは、収納に問題があるということ。「片付けられない」と嘆かれている方にこそ、収納の見直しを図っていただきたいと思います。

——片付けやすい環境にするには、どうしたらいいですか?

 まず、収納の「ベース」を整えましょう。収納は、生活スタイルや家族構成などに合わせて考えるものなので、人によって千差万別。だから、自分の場合はどうなのかを考えます。
 そのために注目すべきポイントは、4つ。

1.家中のモノのありかを把握する。
2.日用品や食品のストックなど、同じジャンルでまとめておくほうが便利なものが点在していないか確認する。
3.モノの置き場や収納方法によって、生活の中で不都合が生じていないか点検する。
4.モノを使用頻度で分類する。

 3つめは、例えば、その部屋では使わないものが収納スペースを占領しているとか、使いたい空間ではない場所にその道具がしまわれているといったようなことです。
 4つめは、家族がどんなモノをどのタイミングで使っているのか、使用頻度が高いか低いか、ということ。よく使うなら「働いているモノ」。使いやすい場所に収納したいですよね。
 でも実際には、ほとんど出番のない「働いていないモノ」が手に取りやすい場所を占領していてジャマになっていたり、奥にしまいっぱなしで空間の無駄遣いになっているケースがよくあります。
 だからこそ、自分たちの暮らしをよく観察することから始めることが大切なんです。

——確かに「働いていないモノ」がいい加減な場所にあるのは、誰しも思い当たりそうです。あまり使わないモノだから置き場所にも困るような気がしますが。

 働いていないモノだと判断したら、捨てたりリサイクルやバザーに出したりして、モノを減らすのがいちばんですが、なかなか手放せないこともあるでしょう。そんなとき、私は「ご自由にBOX」と呼んでいる箱に入れておきます。そうして、引き取ってくれそうな人に譲るのも一案。あるいは、「出番待ちBOX」といえる箱を用意して、今は使わないけれどいつか使う予定のモノを入れておくといいでしょう。写真立てや文房具、結婚祝いでもらった引き出物などは、それに該当することが多いですね。
 そうして仕分けしたモノを、一定期間が過ぎたら再度見直すようにすると、「これだけ働かないモノならば」と処分しやすくなります。そうしてだんだん不要なモノが減っていけば、よりシンプルで快適な暮らしになりますよ。

適材適所に収納するため「モノの住所」を決める

——では、必要なモノはどうすればいいでしょう?

 自分たちの生活習慣や持っているモノ、その使用頻度などをしっかり把握できたら、それに合わせた収納場所を決めることが次のステップ。「モノの住所を決める」ことです。よく働くモノは1軍、その次に働くモノは2軍というように、使用頻度を考えながら仕分けして。モノは必ず、それを使う空間に住所を設け、1軍を手にしやすい高さ、短い動線ですぐ出し入れできることなどを考えて配置します。2軍は、その周辺や奥などに。「この引き出しは文具」と言葉にできるぐらい、明確に収納場所を決められると、モノが混在しなくなります。

——収納しにくいモノはありますか?

 1軍は使う場所や使い方が明確だから収納も決めやすいのですが、あまり働かないけれど捨てられないという3軍は点在しがちです。例えば、家電製品のパーツや水筒の予備のパッキンなどは、ご家庭によって収納場所に一貫性がなく、どこにしまったか分からなくなる代表格。そういうモノは、「パーツ」というくくりでジャンルが違っても一緒に収納。家電でもキッチン用品でも、パーツだったらあの箱だと思えば、迷子になりません。

——モノが帰る住所まで決まったら、片付けやすい環境のベースは完成?

 そうですね。でも、生活習慣が変わったり、子どもが増えて家族構成が変わったり、子どもが成長して働くモノの種類が変わったりと、暮らしは変化するので、それに合わせて適材適所に収納をアップデートしてほしい。ベースができていれば、同じ考え方で同じ手順を踏むだけなので、アップデートはカンタンですよ。

——よく使う場所の収納テクニックを教えてください。

 キッチンは、道具を使う目的がハッキリしているので、1軍、2軍を整理して配置するだけで、かなり使い勝手がよくなります。「ココにコレを置くべき」という固定概念にとらわれないで、自由な発想で収納してください。例えばウチの場合、1軍の食器はキッチンカウンターの上のオープン棚に置いています。食器棚にしまわなくては、なんて考えないで、出し入れしやすい場所に置くのが家事ラクにつながります。
クローゼットは、まず、たたんで引き出しにしまうものと吊るしてしまうものに仕分けして。それからトップス、ボトムス、アウター、部屋着、小物など、おおまかに分類し、1軍、2軍、季節ものに分けるといいでしょう。出入口に近い収納が1軍エリア。選ぶのも片付けるのもラクですよ。

よく働くモノや収納場所に困ったモノは吊るすのもオススメ。長さのあるワンピースやストールは壁面を利用。携帯やハンカチなど、出かけるときに持っていく小物一式は、玄関前の3段ラックを帰る場所に。なんとその横には掃除機まで吊るして収納
机まわりは、仕事が終わった書類を入れ替えたりするため、短いスパンでアップデートが必要な場所。引き出し単位やファイル単位で細かく住所を決めておくと使いやすくなる

Profile

本多さおりさん

整理収納コンサルタント。「やるべきことは短時間でサクッと済ませ、浮いた時間でやりたいことをしよう」を信条に、暮らしをシンプルに楽しむための整理収納術を提案。『片付けたくなる部屋づくり』(ワニブックス刊)は13万部を超えるベストセラーに。2011年にスタートした個人宅向け整理収納サービスは、現在、受付休止中
公式サイト
http://hondasaori.com/

構成・取材・文/樋口由香里 撮影/平山諭

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